健康寿命を縮めるリスク 「大腿骨頸部骨折」とその画像

転倒 股関節の痛み

シニア世代が転倒などで臀部を強打して脚の付け根(股関節)の痛みで動けなくなったときにまず疑うのが大腿骨頸部骨折です。この骨折の多くの場合骨がもろくなる骨粗鬆症(こつそしょうしょう)という病気が原因となります。骨粗鬆症は骨がもろくなり、骨折の リスクが高くなる状態をいいます。骨の強度(骨の丈夫さ)は骨密度(骨量)と骨質の2つの要因からなるといわれます。女性の場合、閉経により女性ホルモンが減少すると骨吸収が盛んになり、骨密度が急速に低下して骨密度が若い人の70%未満になると、骨粗鬆症と診断されます。
骨粗鬆症は骨密度の低下が進むとカラダの骨がもろくなり、簡単に骨折を起こしやすくなります。脊椎骨折・橈骨遠位端骨折(手関節)・上腕骨近位端骨折(肩関節)にならんで大腿骨頚部骨折(股関節)が骨粗鬆症起因による4 大骨折といわれてます。ただ、大腿骨頚部骨折が他の3種類の骨折と違うのは、骨折により寝たきりになるリスクが高く、人が健康に生活ができる年齢である健康寿命を縮める要因になるということです。社会的な問題となってます。

骨折

骨がもろくなる骨粗鬆症(こつそしょうしょう)が原因の4大骨折とその画像のまとめ

2019年4月20日

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大腿骨頸部骨折とは

股関節は脚の付け根の関節になり、大腿骨と骨盤で構成されてます。
股関節はカラダの荷重がかかる場所になります。股関節を構成する大腿骨は股関節のすぐ下のところで約130°の角度をなして曲がっているので、大腿骨頸部は骨の内部に生ずる骨をズラすような力が常にかかるため骨折が生じやすくなります。

大腿骨頸部の周辺 イメージ像

大腿骨頸部骨折 内側骨折・外側骨折の分類

大腿骨頸部骨折は骨折する部位により、骨頭下骨折、中間部骨折、転子間骨折及び転子貫通骨折の4種類に分類されます。股関節は関節包という袋で覆われています。股関節の関節包の中で骨折する、骨頭下骨折および中間部骨折を内側骨折といいます。股関節の少し膝よりで関節包の外で骨折する、転子間骨折および転子貫通骨折を外側骨折といいます。

骨の表面には外骨膜があり、骨折が治るのに重要な働きをします。関節包の内側はこの外骨膜が存在しないため、外側骨折に比べて内側骨折は非常に治りにくい特徴があります。さらに、大腿骨骨頭と頸部は回旋動脈という血管で栄養されていますが、内側骨折の時は損傷されることが多く、血流障害を起こしやすくなります。血流障害を起こすと大腿骨頭壊死を起こして骨頭が陥没することがあります。関節包の外側で起こる外側骨折は骨折部の血流も良好で内側と比べると治りやすい骨折になります。
このように同じ大腿骨頚部骨折でも内側と外側では治療方法も予後も大きく異なります。

大腿骨頸部骨折の分類

大腿骨頚部骨折分類

原因

内側骨折は多くの場合骨粗鬆症で骨がもろくなっていることが原因となります。70歳以上の高齢の女性に多く、転倒などで容易に骨折しやすくなります。若い人はスポーツや交通事故などの大転子を強打したときに外側骨折することがあります。しかし、ほとんどの骨折は骨粗鬆症で骨がもろくなっていることが原因となる内側骨折になります。日常の何気ない動作で容易に骨折しやすくなります。

骨密度検査 骨の強さを測定する

2018年9月30日

症状

大腿骨頸部骨折は多くの場合脚の付け根(股関節)に強い痛みがあり、歩くことはもちろん立つこともできなくなります。

画像検査

単純X線(レントゲン)撮影

通常大腿骨頸部骨折は単純X線(レントゲン)撮影で診断がつきます。

大腿骨頸部内側骨折 イメージ像

大腿骨頸部内側骨折

大腿骨頸部外側骨折  イメージ像

大腿骨頸部外側骨折

MRI検査

大腿骨頸部骨折の中でも不完全骨折(いわゆる骨のひび)のように転位(骨のズレ)がない骨折は単純X線(レントゲン)撮影では描出しにくい場合があります。単純X線(レントゲン)撮影で明らかな骨折が確認できなくても、股関節痛があって大腿骨頸部骨折の疑いがある時にはMRI検査を行う場合があります。
MRI装置

両股関節MRI 冠状断 T1強調像 右大腿骨頸部内側骨折 イメージ像

右大腿骨頸部に低信号(黒く写る)を呈する骨折線が確認できます(赤丸内)。
大腿骨頸部骨折MRI

まとめ

大腿骨頸部骨折になると寝たきりになるリスクが高くなり、健康寿命を縮める大きな要因となります。骨折しないためには食事や運動などで強い骨づくりに心がけることと、日常生活で転倒しにくい環境づくりが大切だといわれてます。また、同じ大腿骨頸部骨折でも骨折する場所によって治りが違ってきます。特に内側骨折は治療がやっかいで要注意となります。

股関節痛

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2019年5月1日

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