足の親指の付け根が痛くなる痛風はとても有名な病気で、日本人の男性で最も多い炎症性関節疾患になります。その痛風と似た症状が出て、主に膝が痛くなる偽痛風って病気をみなさんご存知でしょうか?どちらも急性関節炎を起こす病気であります。
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痛風
痛風は「風が当たっても痛い」といわれるほど激しい関節痛をともないます。痛風の原因は尿酸結晶の関節炎であります。血液の高尿酸値をそのまま治療せず放置していると、ある日突然痛風発作が起きます。代表的な発症部位である足の親ゆびの付け根や足首などの関節が赤く腫れて激痛をともないます。
痛風発作は片足側に症状がでます。その痛風発作の痛みは激烈で、身の置き場がないほどの痛みをともなうそうです。さらに病気が進行すると、膝まで腫れが広がることがあります。痛風は関節など体の一部に結晶ができたり、腎臓が悪くなったりして、腎結石ができやすくなります。痛風の発病は圧倒的に男性が多くなります。それは女性は男性より血液中の尿酸値が低いためといわれてます。ただ、痛風は単純X線(レントゲン)撮影やMRIなどの画像検査では診断はつきません。
偽痛風
偽痛風は病気名通り、発作の状況が痛風に似ている病気です。高齢者に突然発症し、主に膝に症状が出る関節痛であります。
原因
痛風も偽痛風も関節に結晶成分が沈着して炎症を起こすと考えられます。痛風は尿酸結晶が出来ることにより関節炎になるに対して、偽痛風は関節内にピロリン酸カルシウム結晶(CPPD)できることが原因となり、結晶成分が異なります。
症状
足関節や股関節など色々な関節に見られますが、特に膝関節に多く発症します。年齢も高齢者に多く、痛風が男性患者が圧倒的に多いのに対して、偽痛風は女性にも同様に起こります。また、痛風と違い発熱を伴うことが多くあります。高齢者の不明熱の原因が偽痛風だったケースもあるそうです。
症状は痛風ほどの痛みはないものの、それでも関節の強い痛みや腫脹や発赤で歩くのも困難なことが多くあります。
偽痛風の画像検査
痛風は画像検査では診断つけることはできませんが、偽痛風は単純X線(レントゲン)撮影で、関節内の半月板に石灰化がみとめられることが特徴的な所見となります。単純X線(レントゲン)撮影では石灰化像は白く写ります。
単純X線(レントゲン)撮影 正面 偽痛風イメージ像
赤丸内の内側半月板に石灰化像(白く写る)を認めます。

単純X線(レントゲン)撮影で関節内に石灰化を認めると偽痛風の疑いがあります。確定診断をつけるため関節液穿刺でピロリン酸カルシウムの結晶を確認することが必要となりますが、多くの場合そこまでは行わないようです。
まとめ
痛風にせよ、偽痛風にせよ、どちらも症状が強い病気なので日常生活に支障をきたすことも多くあります。関節炎による関節の痛みが起きたなら早めに整形外科などの専門医への受診をオススメします。
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