みなさんは絞扼性神経障害(こうやくせいしんけいしょうがい)ってご存知でしょうか?とてもいかめしい名前の病気でありますが、じつは手足のしびれの原因はほとんどこの病気であることが多くなります。
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目次
絞扼性神経障害とは
脊髄から分かれた末梢神経が手足のどこかでどこかで神経が絞扼(しめつけ・圧迫)を受けるとそこから先の神経が障害され痛みやしびれがでます。これを絞扼性神経障害(こうやくせいしんけいしょうがい)といいます。関節などの骨や筋肉・腱・靭帯などに囲まれた末梢神経が絞扼(しめつけ・圧迫)されることにより病気が起こりやすくなります。
主な絞扼性神経障害
手のしびれや痛みは絞扼神経障害に原因がある場合が多く、その代表的な病気についてまとめました。
胸郭出口症候群 1️⃣
胸郭出口のイメージ像
心臓と腕をつなぐ血管(鎖骨下動脈や鎖骨下静脈)や脊髄から枝分かれして上腕につながる腕神経叢(わんしんけいそう)という神経の束が上腕に出て行く肩付近の通路を胸郭出口といいます。胸郭出口が狭いと、ここから出て行く神経や血管が絞扼(圧迫)され首や肩、腕、手などに痛みやしびれなど様々な症状が出ます。これの病気を胸郭出口症候群といいます。手のしびれや痛みの原因は手首(手根管症候群)、肘(肘部管症候群)とならんで肩周辺の原因のこの胸郭出口症候群が多いといわれてます。特になで肩の女性に多く発病する傾向があります。
胸郭出口症候群とその画像の詳細は下記の関連記事をご覧ください。
肘部管症候群 2️⃣
肘部管のイメージ像

肘部管は肘の内側の骨のくぼみで、その尺骨神経溝を尺骨神経が走行してます。尺骨神経は手の小指、薬指の小指側の知覚をつかさどっている神経になり、尺骨神経溝は肘の内側をぶつけた時にビリっとくる場所になります。
肘部管を走行する尺骨神経が絞扼(圧迫)されて薬指の一部と小指がしびれて感覚が鈍くなる病気を肘部管症候群といいます。尺骨神経が通過する尺骨神経溝は狭いため、慢性的な絞扼(圧迫)で神経麻痺が出やすくなります。 そうなると手指の動きが鈍くなり、箸などが使いづらくなるなど細かい作業がし難くなります。
肘部管症候群とその画像の詳細は下記の関連記事をご覧ください。
手根管症候群 3️⃣
手根管のイメージ像
手根管は手関節の8つの手根骨と横手根骨靭帯によって形成された長さ2cmほどのトンネルです。このトンネルの中を手の感覚と親指の筋肉をコントロールする正中神経と9本の筋肉の力を指に伝え、指を曲げる働きをする指屈筋腱が通過します。何らかの原因で内圧が高くなり手根管内の正中神経が絞扼(圧迫)されて手に痛みやしびれを引き起こす病気を手根管症候群といいます。特にシニア世代の女性に多く発病する傾向にあります。親指の手のひら側、人差し指、中指、そして薬指の中指側半分に生じる手や指の痛みやしびれがある場合は手根管症候群の疑いがあります。
手根管症候群とその画像の詳細は下記の関連記事をご覧ください。
その他
絞扼性神経障害の代表的な病気は胸郭出口症候群・肘部管症候群・手根管症候群ですが、ギオン管症候群など他にも多数あります。
まとめ
手のしびれや痛みの原因は絞扼性神経障害であることが多いのですが、頸椎の神経障害でも同様の症状が出る場合があります。また、手だけでなく顔に麻痺が出ることがあります。顔の麻痺が起こると脳卒中など頭の中の病気も考えられる場合もあります。
いずれにしても、手にしびれがある方は整形外科や神経内科などの専門医の受診をオススメします。
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