シニア世代 女性の手首の骨折「橈骨遠位端」の骨折とその画像

橈骨遠位端骨折 手首の痛み

橈骨は前腕を構成している2本の骨のうちの拇指側の骨をいい、その手首近くの骨折を橈骨遠位端骨折といいます。転んで手をつくことにより強い痛みと急に手首が腫れてきたらこの骨折が疑われます。骨折の中でも比較的多く見られる骨折ですが、特にシニア世代の女性に頻度が高い骨折になります。

橈骨遠位端

橈骨遠位端骨折

橈骨遠位端骨折の種類

橈骨の骨折は骨折のずれ(転位といいます)によって大きく分けて関節外、関節内含めて4種類に分けられます。

コレス(Colles)骨折(関節外骨折)

コレス骨折は手首の骨片が手の甲にズレているものをいい、手背がふくらんで見えます。比較的若い年齢層に多く、最も多いタイプになります。
橈骨遠位端骨折

スミス(Smith)骨折(関節外骨折)

スミス骨折は手の甲を内側にして転び、手首の骨片が手のひら側にズレているものをいいます。自転車の落車時などで骨折することがあります。
橈骨遠位端骨折

バートン(Barton)骨折(関節内骨折)

橈骨遠位端が手関節を巻き込んで骨折を生じます。バートン骨折には背側バートン骨折と掌側バートン骨折があります。その中でも背側バートン骨折は高齢者に多い骨折といわれてます。
背側バートン骨折
橈骨遠位端骨折

掌側バートン骨折

橈骨遠位端骨折

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原因

橈骨遠位端骨折の発生年齢分布は大きく分けて2つのグループに分けられます。
一つ目は比較的若い若年齢層の男性に多く発病します。この場合はスポーツなどにより強い外力が加わることにより骨折します。
二つ目のグループは高齢の女性に多く、転んで軽く手をついただけでもに手関節(橈骨遠位端)を簡単に骨折したりします。閉経後の女性は骨粗鬆症(こつそしょうしょう)で骨がもろくなることが原因で骨折のリスクが高くなります。

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)

シニア世代で問題となる骨粗鬆症は骨がもろくなりになり、骨折の リスクが高くなる状態をいいます。骨の強度(骨の丈夫さ)は骨密度(骨量)と骨質の2つの要因からなるといわれます。女性の場合、閉経により女性ホルモンが減少すると骨吸収が盛んになり、骨密度が急速に低下して骨密度が若い人の70%未満になると、骨粗鬆症と診断されます。骨粗鬆症は中高年女性の病気というイメージがあります。たしかに、圧倒的に女性が多いのは事実で、70歳代後半の女性は約半分が発症するとの報告があります。ただ、男性も5人に1人は発症するリスクがあるそうで、男だから心配ないとはならないようです。さらに悪いことに、男性の方が一旦発病すると症状が重症化になりやすい傾向にあるそうです。

骨質
骨の微細構造、骨代謝回転の速さ、微小骨折の有無、石灰化の密度により示されます。
密度の低下が進むと骨がもろくなり容易に骨折を起こしやすくなります。

骨密度検査 骨の強さを測定する

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症状

橈骨遠位端骨折は転んだりして手をついた後、強い手首の痛み、急激な腫脹(腫れ)などが主な症状となります。その時食器のフォークのように手関節が変形することがあります。手がブラブラになり、手関節を動かすことが困難になって反対の手で支えなければならなくなります。骨折で大きく骨がずれた場合は神経が圧迫され、手がしびれることもあります。

画像検査

単純X線(レントゲン)撮影

橈骨遠位端骨折を疑った場合、病院や診療所などを受診すると、まず単純X線(レントゲン)撮影を行います。多くの場合はこれだけで診断がつきます。

手関節正面像

手根骨

手関節側面像

手関節側面像

橈骨遠位端骨折 正面 イメージ像

正面像だけでは手首の骨片が手背側か、手のひら側にズレているかは分かりません。必ず側面像も撮影します。
橈骨遠位端骨折

橈骨遠位端コレス骨折 側面イメージ像

手首の骨片が手の甲にズレており、手背がふくらんで見えます。横から見ると、手首がフォークのように波打った変形が観察できます。
橈骨遠位端骨折

CT検査

CT

手術が必要な場合はCT検査を行います。連続的に撮影した2次元画像をワークステーションという装置で画像処理を行い、関節の骨を強調したボリュームレンダリング法(VR法)と言われる3次元表示(VR像)で橈骨遠位端骨折の状態を立体的に評価することで手術の術前計画を立て易くします。

手関節CT 3次元表示(VR像) 橈骨遠位端骨折イメージ像(てのひら側からのview)

橈骨遠位端骨折CT

まとめ

橈骨遠位端骨折は骨粗鬆症のシニア世代の女性に多い骨折です。転んで手をつくことにより強い痛みや手首が腫れてきた上に、フォーク状に変形が見られれば容易に橈骨遠位端骨折がつきます。しかし、橈骨遠位端骨折も他の病気と同じように重症度があり、重症度により治療方針も変わってきます。正確な治療方針を決定するためにも単純X線(レントゲン)撮影やCTなどの画像検査が重要になってきます。

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