シニア世代 脊椎圧迫骨折とその画像

尻もち 腰痛

シニア世代の方が尻もちや転倒で起こる腰背部痛。その痛み、もしかすると脊椎圧迫骨折が原因かもしれません。

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脊椎圧迫骨折とは

脊椎圧迫骨折は背骨が押しつぶされ変形する骨折です。尻もちや転倒などだけでなく、くしゃみなど日常何気ない行動でも骨折することがある骨粗鬆症(こつそしょうしょう)によるものや骨腫瘍などの病的なもの、強い外圧が加わって骨折する外傷性椎体骨折などがあります。脊椎がカラダの重みでつぶれてしまうことを、ただ単に圧迫骨折と言われることがあります。

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原因

昔の圧迫骨折は強い外圧で骨折する外傷性椎体骨折が多かったそうです。しかし、現在は超高齢化の影響もあり、その多くは骨粗鬆症が起因となっている場合が多くなってます。

骨粗鬆症が起因の場合

骨粗鬆症は骨がもろくなり、骨折の リスクが高くなる状態をいいます。骨粗鬆症が起因で圧迫骨折を起こす場合、多くは尻もちや転倒で椎体の前面に力が加わり椎体がくさび状に変形します。
圧迫骨折

骨の強度(骨の丈夫さ)は骨密度(骨量)と骨質の2つの要因からなるといわれます。女性の場合、閉経により女性ホルモンが減少すると骨吸収が盛んになり、骨密度が急速に低下して骨密度が若い人の70%未満になると、骨粗鬆症と診断されます。骨粗鬆症の患者さんの骨はもろく弱くなって脆弱(ぜいじゃく)化しているため、軽微な力でも圧迫骨折が生じます。特に第10胸椎から第2腰椎あたりの胸腰椎移行部といわれる部位の骨折は骨粗鬆症が原因で、シニア世代の女性に多いのが特徴です。

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病的骨折(骨粗鬆症を除く)

他の部位にできた悪性腫瘍が脊椎に転移したことが原因で骨折になります。肺がん、乳がん、前立腺がんなどが頻度の高い原発巣になりますが、最も多いのは乳がんの転移によるものになります。骨に転移したがん細胞が骨を破壊し、破壊された骨がカラダの負荷に耐えられなくなったら骨折します。発生数は骨粗鬆症が原因の場合と比べてとても少なくなります。

外傷性椎体骨折

交通事故やスポーツなどの強い外圧で骨折します。骨粗鬆症の場合と同じく椎体の前面がつぶれただけで済む場合がありますが、椎体全体がつぶれて粉砕骨折になったりすることがあり、骨折によって脊髄損傷を生じて重症化する場合もあります。

症状

尻もちをついた時などは骨折した腰背部を中心に強い痛みを生じる場合があります。しかし骨粗鬆症の患者さんは骨が弱くなっているため、日常の何気ない行動で骨折する可能性があります。したがって骨折しても強い痛みがなく、骨折自体に気がつかない方も多くいます。そんな方は何かのきっかけで単純X線(レントゲン)撮影を行って初めて骨折に気がつきます。胸腰椎移行部を骨折すると椎体変形の結果、身長が縮むなどのカラダの変化が見られます。

腫瘍などが原因の病的骨折の場合骨折部に痛みが現れ、夜間にも痛んだり、安静にしても痛みを感じることがあります。

外傷性圧迫骨折で胸腰椎移行部に圧迫骨折があると両下肢に麻痺が生じたり、様々な症状が起こる可能性があります。

画像検査

脊椎圧迫骨折を疑った場合、病院や診療所などを受診すると、まず単純X線(レントゲン)撮影を行います。多くの圧迫骨折の場合はこれだけで診断がつきます。
椎体の粉砕骨折や脊髄損傷が疑われる場合は、CTやMRI検査を行います。また、病的骨折が疑われる場合はMRI検査などを行います。

単純X線(レントゲン)撮影

単純X線(レントゲン)撮影 腰椎側面イメージ像

単純X線(レントゲン)撮影 胸腰椎移行部 圧迫骨折 側面イメージ像

骨粗鬆症で骨がもろくなると、尻もちなどの軽い衝撃でも腰移行部あたりの椎体に圧迫骨折を起こすリスクが高くなります(下図:赤矢印)

CT検査

CT
連続的に撮影した2次元画像によりMPRという画像処理を行い、胸腰椎移行部の側面像などを作成することにより圧迫骨折の範囲を判定することができます。

CT  MPR 処理による矢状断像  第1腰椎圧迫骨折イメージ像

赤丸部分の第1腰椎に圧迫骨折が認められます。
CT画像

MPR
「multi-planar reconstruction, multi planar reconstruction」の略で、撮影後の画像再構成処理により、横断像、冠状断像、矢状断像の基本的な3方向以外にも自由自在に体の断面像を作成することができます。

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MRI検査

単純X線(レントゲン)撮影やCT検査では椎体などの骨の変形はわかりますが、脊髄などの組織は直接描出することはできません。したがって、外傷性圧迫骨折などで椎体が後方につぶれて脊髄損傷の疑いがある場合はMRI検査が必要となります。

MRI装置

MRI 矢状断  T2強調像 外傷性圧迫骨折イメージ像

赤丸の第1腰椎後壁の損傷・突出により脊髄への圧迫を認めます。
MRI画像

まとめ

圧迫骨折の患者さんの中ではあまり痛みを感じない方もいます。しかし、骨折した椎体は元に戻ることはありませんので、そのまま放置しておくと椎体全体のバランスが崩れて他の椎体をはじめ体への負担が大きくなります。一箇所骨折すると1年以内に次の骨折が起こりやすい研究発表もあります。
人が健康に生活ができる年齢が「健康寿命」です。骨粗鬆症によって骨がもろくなって胸腰椎移行部などの椎体を骨折すると背中や腰の痛みからあまり動かなくなり、足腰の筋肉が衰えて寝たきりとなるリスクが高まります。したがって健康寿命を縮めている要因の一因がこの骨粗鬆症による脊椎圧迫骨折にあります。圧迫骨折にならないためには予防が大切です。骨粗鬆症にならないために若い時からの運動と食事、そしてシニア世代になったら尻もちや転倒しないように十分注意することが大切です。

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