運動時における膝関節の側副靭帯損傷の画像について

膝痛

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膝関節は大きな関節にも関わらず、膝の屈伸運動で関節が離れないように筋肉や内・外側副靭帯や前・後十字靭帯などの靭帯で引っ張って不安定に固定されています。膝関節は本来の動きである前後方向の屈伸の向きに力が加わるのは問題ありませんが、横向きに力が加わったり、無理にねじられたりすると障害が発生しやすくなります。そのため膝関節は運動によるケガが多い部位となってます。その膝関節のスポーツ障害は靭帯損傷半月板断裂があります。

膝痛

自転車などの運動で起こる膝の痛みの画像について

2019年1月10日

側副靭帯とは

膝関節の靭帯は内側側副靭帯・外側側副靭帯と前十字靭帯・後十字靭帯があります。膝関節の内側に内側側副靱帯があり、膝が内側にブレる動きを抑制し、外側の外側副靭帯は膝が外側にブレる動きを抑制して膝関節の側方向の安定性を担います。外側側副靭帯に比べて内側側副靱帯の損傷する割合は高く、内側側副靱帯は膝関節の靱帯損傷のうちで最も頻度が高くなります。単に膝の捻挫として取り扱われることが多い障害です。

側副靭帯  イメージ像

正面

膝

側面

膝

側副靭帯損傷の原因は

側副靭帯損傷はサッカーやラグビー、バスケット、柔道などの激しいコンタクト(接触)スポーツで膝に大きな力がかかった時に起きやすくなります。スポーツ以外では自転車やオートバイでの交通事故や落車などでも受傷します。
その力が加わった方向によって、損傷する靭帯が異なります。非常に強い力が加わる場合は、前・後十字靭帯を含む2本以上の靭帯が断裂する場合もあります。また、側副靭帯損傷時は半月板断裂を伴うことが多くあります。

 

内側側副靭帯(MCL)損傷

膝の外側から強い力が加わったとき(赤矢印)に内側側副靱帯損傷が起こります。
膝

外側側副靭帯(LCL)損傷

膝の内側から強い力が加わったとき(赤矢印)に外側側副靭帯損傷が起こります。内側に比べると発症する割合は低くく、単独で損傷することは稀だといわれてます。

膝

側副靭帯損傷の症状

側副靭帯損傷では膝が痛む、腫れる、膝を動かしにくくなる、といった症状が現れます。受傷して3週間程度の急性期は膝の痛みや膝を動かしにくくなることが続きます。

画像診断

膝の側副靭帯損傷の画像検査は通常最初に単純X線(レントゲン)撮影を行い、必要があればMRI検査を行います。

腹部CT画像

レントゲンやCT、MRIなどの画像の左右を考える

2019年1月17日

単純X線(レントゲン)撮影

膝の痛みで病院や診療所を受診すると他の膝痛の病気と同じく、まず単純X線(レントゲン)撮影をします。靭帯や腱などは残念ながら単純X線(レントゲン)撮影で直接描出することはできません。しかし、側副靭帯損傷の場合は膝関節の骨折や骨片剥離などもありますので、側副靭帯損傷を疑った場合単純X線(レントゲン)撮影でそれらの病気との鑑別のため撮影します。基本的に正面と側面の2方向を撮影します。

膝関節 正面撮影によるX線イメージ像

膝

膝関節側面撮影によるX線イメージ像

ストレス(負荷)X線撮影

側副靭帯損傷は単純X線(レントゲン)撮影では直接描出することはできません。しかし、患者さんの膝に赤矢印のようにストレスをかけたままの状態で、膝の単純X線(レントゲン)撮影することにより、関節間隙(赤丸)がどの程度開いているか(青矢印)を計測することにより、間接的に側副靭帯損傷を診断することができます。ただ、多くの側副靭帯損傷はMRI検査で診断がつくため、最近ではあまり実施されなくなりました。

MRI検査

靭帯損傷の確定診断をつけるにはMRI検査を行う必要があります。靭帯損傷や合併する半月板断裂の診断には必須の検査となってます。

MRI装置

MRIは強い磁場の中に身体をおき、電磁波(RFパルス)を繰り返し人体に照射して画像を撮像します。この電磁波送信の繰り返しによって、人体の水素原子から信号が放出され、この微弱な信号をMRI用コイルで受信し、コンピューター処理することでMRI画像を作ります。

膝用コイル

人体の水素原子から微弱な信号を受信するため、頭部なら頭部用、脊椎なら脊椎用、そして膝用などの各部位専用コイルを使用することにより高精細な画像を撮像することができます。
膝コイル

 

MRI画像

膝のMRI検査は基本的に冠状断矢状断プロトン密度強調画像とT2*強調画像(ティー・ツー・スター強調画像といいます)を撮像します。
MRI検査はT2*強調画像ではなくT2強調画像を撮像する事が多いのですが、関節などの検査で半月板や靭帯、腱などを見る場合はT2*強調画像で撮像する事が多くなります。
プロトン密度強調画像に脂肪抑制を併用して撮像することにより、骨髄の高信号が抑制されて靭帯損傷や半月板断裂がわかりやすくなる場合があります。

MRI検査では通常半月板や靭帯、腱などは低信号(黒く写る)に描出されます。断裂や損傷がある場合はその部位が高信号(白く写る)に描出されます。
*はアスタリスクっていう記号でスターと読みます。

冠状断  プロトン密度強調像 内側側副靱帯損傷 イメージ像

大腿骨付着部周囲の内側側副靱帯の非薄化を認め、その連続性ははっきりと追うことができません(赤丸)。

冠状断  脂肪抑制プロトン密度強調像 内側側副靱帯損傷 イメージ像

プロトン密度像に脂肪抑制を併用すると脂肪抑制によって骨髄の高信号が抑制されて靭帯損傷や半月板断裂がわかりやすくなります。

まとめ

内側・外側側副靭帯は自己修復能力があるため、損傷しても自分で治ることが多いので手術することは少ないようです。ただ、受傷時に治療しないで放っっておくと、ケガの炎症で膝が伸びにくくなったりします。スポーツなどで膝を痛めた場合「膝が痛む、腫れる、膝を動かしにくくなる」といった症状がある場合はただの捻挫ではなく、側副靭帯損傷かもしれません。整形外科などの専門医への受診をオススメします。

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