脳梗塞の前兆!一過性脳虚血発作(TIA)の画像について シニア世代の脳卒中

頭痛 脳卒中

ガンや心臓病とならんで日本人の3大死亡原因の一つである脳卒中は脳の血管がつまったり、破れたりして脳に血液が届かなくなる血液循環障害による症状のことをいいます。原因は脳血管が詰まる「脳梗塞」、脳血管が破れる「脳出血」、脳血管のコブが破れる「クモ膜下出血」そして一時的に脳梗塞の症状が出る一過性脳虚血発作(TIAといいます)の4種類に分類されます。脳血管が詰まることによって起きる病気である脳梗塞は多くの皆さんご存知かと思いますが、一過性脳虚血発作(TIA)はあまり聞き慣れない言葉かもしれません。

一過性脳虚血発作(TIA)とは

脳梗塞と一過性脳虚血発作をあわせて虚血性脳血管障害といいます。一過性脳虚血発作は病院ではTIAとい言うことが多い病気です。この病気は脳血管の血液の流れが一時的に悪くなる状態で、脳梗塞と同じような運動麻痺などの症状が現れるものの、発作が起きて通常2〜15分程度、長くとも24時間以内に改善して後遺症を残さない病気を言います。ただ、初回発作から1ヶ月〜1年以内に「本当の脳梗塞」が発病することがあります。つまり一過性虚血発作(TIA)は脳梗塞のイエローカード、警告であるとも言えますので注意が必要です。ただ、一過性虚血発作(TIA)を起こす人が必ずレッドカードつまり「本当の脳梗塞」を発病するわけではありませんが、脳梗塞の要注意人物であることは間違いありません。

脳卒中

シニア世代 「脳卒中」とその画像のまとめ

2019年1月10日

一過性脳虚血発作(TIA)の症状は

この発作の症状は様々ありますが、主な症状は右か左半身のいずれかに運動麻痺を起こして力が入らなくなったり、ろれつが回りにくくなり言葉をうまく話せなくなったりする言語障害、片側にあるものが見えにくくなる視野障害などがあります。

一過性脳虚血発作(TIA)の原因は

動脈硬化が原因

この発作のほとんどが動脈硬化が原因といわれます。動脈硬化により脳に向かう頸動脈などの太い血管に血栓がつきます。その血栓がはがれて血液にのって脳血管に引っ掛かると麻痺などの症状を起こします。ただ、血栓が小さいとすぐに流れて症状は回復します。また、動脈硬化などで脳内の主要血管が狭くなっている場合、何らかの影響で血液の流れが悪くなった時にも症状が出ます。

動脈硬化
動脈の血管壁が加齢等で硬くなり、弾力性を失います。さらに血管の内側が狭くなって血行が悪くなり、血液が詰まりやすくなる状態をいいます。その動脈硬化により引き起こされる様々な病気の総称を動脈硬化症といいます。動脈硬化は心臓や脳の血管を容易に詰まらせるため心筋梗塞脳梗塞などの大きな原因となりますので「サイレントキラー(沈黙の暗殺者)」とも呼ばれています。

心臓が原因

心臓にできた血栓が脳血管まで流れていき、主要血管がつまる場合も症状が出ます。

スポンサーリンク


画像診断

一過性脳虚血発作(TIA)は頭部単純CTでは通常所見は認められません。

MRI検査

MRI検査の拡散強調画像(DWI)で一過性脳虚血発作の30〜50%の患者さんが発作時の虚血領域を小さな異常高信号(白い部分)で画像に写ることがあります。また、同時に撮像するMR血管撮像法(MRA)では脳の主要血管の狭窄を認めることがあります。

MRI

MRI 拡散強調画像(DWI) 一過性脳虚血発作(TIA)イメージ像

左大脳に微小な異常高信号(赤矢印の白い部分)を認めます。

MRI画像

 

MRA  一過性脳虚血発作(TIA)イメージ像

左中大脳動脈に血管の狭窄を認めます(赤矢印)。一過性脳虚血発作(TIA)は発作が出て症状が改善しても、血管の梗塞源の狭窄部位はそのまま存在しているので、いずれ「本当の脳梗塞」が発病する可能性が高いのが分かります。

MRA画像

 

まとめ

一過性脳虚血発作(TIA)の画像診断にはMRI検査における拡散強調画像(DWI)とMR血管撮像法(MRA)が必須検査となってます。

一過性脳虚血発作は脳組織にダメージが残る前に回復しますが、ある一定期間をおいて「本当の脳梗塞」が発病することがあります。一過性脳虚血発作発症は「本当の脳梗塞」の警告、いわばイエローカードです。速やかに治療を行えば、「本当の脳梗塞」の発症の危険性をグンと下げることができます。レッドカードにならないためにも一過性脳虚血発作を疑う経験をした場合は、迅速に神経内科や脳神経外科などの専門医へ受診をオススメします。

スポンサーリンク