シニア世代の歩行障害 閉塞性動脈硬化症の画像ついて

腰痛

シニア世代の皆さんの中には健康のため散歩やウォーキングなどをされている方も多いと思います。歩き始めは問題なく歩けるのですが、少し負荷をかけたり、長距離歩いたりすると次第に太ももや膝下に痛みやしびれ生じることがあるが、少し休むことにより症状が軽くなって再び歩くことができるのであまり気に留めず、老化のため足腰が弱っているなどと思っていませんか?その症状はもしかしたら間欠跛行(間歇跛行間欠性跛行間歇性跛行という症状が出ているのかもしれません。間欠跛行とは、しばらく歩くと足に痛みやしびれを生じ、少し休むとまた歩けるようになる症状のことをいいます。

間欠跛行の原因は?

その間欠跛行は整形外科の病気で脊椎の脊柱管が狭くなり、脊髄が圧迫されることにより発症する腰部脊柱管狭窄症と循環器内科などの血管の病気である「閉塞性動脈硬化症(ASO)」で症状が出ます。この2つの病気は発症する症状は似ていますが、治療方法は全く違いますので注意が必要です。

閉塞性動脈硬化症(ASO)
閉塞性動脈硬化症(ASO)は、Arteriosclerosis obliteransの略になります
腰痛

シニア世代の「腰痛・坐骨神経痛」とその画像のまとめ

2019年1月15日

腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症とは、変形性脊椎症の症状が進み、脊髄が通る脊柱管が狭くなる病気のことをいいます。加齢によって起こる変形性腰椎症の中でも最も症状が重い病気になます。椎間板ヘルニアや椎体のすべり症なども脊柱管が圧迫され狭くなっていれば狭窄症といえます。腰部脊柱管狭窄症の症状はお尻から両方の下肢全体に出る傾向にあります。

腰椎脊柱管狭窄症イメージ像

閉塞性動脈硬化症

閉塞性動脈硬化症(ASO)とは動脈硬化により下肢の血管に十分な血液を送ることができなくなり、それにより足に痛みを伴って歩行障害が起こる病気です。閉塞性動脈硬化症(ASO)の患者さんの30%に間欠跛行の歩行障害が起こります。特にふくらはぎに疲れ、だるさ、痛み、こむら返りなどの症状が起こり、歩行が困難になります。片方に症状が生じることが多いのですが、稀に両方を合併している場合もあります。
閉塞性動脈硬化症(ASO)という病気の本当の怖いところは、その名の通り動脈硬化が原因の病気であるため、閉塞性動脈硬化症を発症している時点ですでに体全体の動脈硬化がかなり進んでいる可能性が高いということです。実際に閉塞性動脈硬化症(ASO)の患者さんは心臓疾患で約50%、脳血管疾患で約20%の動脈疾患を合併しているとの報告もあり、心臓や脳の血管疾患などの命に関わる重篤な病気を発症する可能性があるといわれてます。

動脈硬化
動脈の血管壁が加齢等で硬くなり、弾力性を失います。さらに血管の内側が狭くなって血行が悪くなり、血液が詰まりやすくなる状態をいいます。その動脈硬化により引き起こされる様々な病気の総称を動脈硬化症といいます。動脈硬化は心臓や脳の血管を容易に詰まらせるため心筋梗塞脳梗塞などの大きな原因となりますので「サイレントキラー(沈黙の暗殺者)」とも呼ばれています。

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画像検査

血管撮影(アンギオグラフィー)検査の様子


カテーテル(下図の青矢印)から造影剤を注入し、X線を照射して動脈の形態を調べる血管撮影検査(アンギオグラフィー)は、閉塞性動脈硬化症の確定診断及び治療に行われます。

血管撮影(アンギオグラフィー) 閉塞性動脈硬化症 イメージ像

下肢動脈撮影で狭窄部位(赤矢印)が認められます。ただ、血管撮影(アンギオグラフィー)は侵襲*を伴う検査のため、MRIやCTなどの検査と違い入院して検査を行います。

侵襲とは
医療行為としての侵襲は、外科手術などによって人体を切開したり、人体の一部を切除する行為や薬剤の投与によって生体内になんらかの変化をもたらす行為などを指す。

ウィキペディアより引用

CT検査


血管撮影を行わなくても、CTで造影剤を使うことにより比較的非侵襲的に血管像を描出することができます。

閉塞性動脈硬化症(ASO) 下肢動脈 CT(造影)イメージ像(MIP画像)

右外腸骨動脈閉塞が認められます(赤丸)。

MIP画像
連続的に撮影した2次元画像を最大値投影法(MIP)という画像処理を行い、造影された血管などを強調して表示します。

まとめ

腰部脊柱管狭窄症は、お尻から両側の下肢全体に症状が現れる傾向があります。症状が前屈で改善されたり、立っているだけでも症状が出現するケースも多くみられます。それに対して血管の病気である閉塞性動脈硬化症(ASO)の多くの場合、片側の下肢が冷たく感じ、歩いた時だけふくらはぎより下にしびれなどの症状が現れることがあります。いずれにせよ、間欠跛行等の歩行障害がある場合は一度専門医への受診をオススメします。

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