頸椎椎間板ヘルニアの画像 シニア世代の首や肩の痛みの原因に

肩こりや首の痛み

首や肩、腕から指先にかけて痛みやしびれを伴う病気の代表は変形性頸椎症と頸椎椎間板ヘルニアがあります。では変形性頸椎症と頸椎椎間板ヘルニアはどう違うのでしょうか?

変形性頸椎症とは

変形性頸椎症は頸椎のクッションの役目をしている椎間板が加齢による変性によってその弾力性を失い、それが引き金になって椎体の角の部分に骨が増殖して変形して骨棘といわれるトゲのような突起をつくります。

そして関節等が変形し脊髄や脊髄から枝分かれしている神経根の通り道が狭くなり圧迫されると、首から肩、上腕、指先にかけて痛みやしびれを生じる病気であります。加齢による頸椎の変化は個人差はありますが、誰にでもあることです。変化があるからといって痛みやしびれが必ず生じるわけではありません。症状が出たとしても、激しい痛みがやしびれがあることはあまりなく、だらだら症状が続くのが特徴です。

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頸椎椎間板ヘルニアとは

もう一つの病気は頸椎椎間板ヘルニアであります。身体の中の一部が、外に飛び出した状態を「ヘルニア」と言います。椎体と椎体の間にあり、椎体間の衝撃を吸収するクッションの役目をしている軟骨が椎間板です。椎間板のおかげで背骨がしなやかに動くことができます。その椎間板に亀裂が生じて、中にあるゼリー状の髄核といわれる部分が飛び出します。この飛び出した状態が「椎間板ヘルニア」といいます。椎間板の亀裂は後方と後側方に出来ることが多く、後側方には神経根があるため脱出した髄核が神経根を圧迫して症状を発症します。神経根を圧迫されると首から肩、上腕から指先にかけてしびれや痛みがあり、片側の上肢に症状が出ます。首を後ろにそらすと症状が出やすく、美容院での洗髪や歯科での治療時のように首を後屈すると激痛がはしる場合があります。

肩こり

首や肩に「こりや痛み」をおこす病気とその画像のまとめ

2019年1月11日

頸椎椎間板ヘルニアイメージ像


ヘルニア塊(髄核)が大きく後ろに飛び出すと神経根よりも脊髄を圧迫することがあります。神経根を圧迫する場合と違い、上半身だけでなく下半身にも神経症状が出て、両側の手足に痛みやしびれ、歩行障害がみられます。その後、徐々に手足の感覚異常や手指のボタンの掛け外しが上手くできない、箸がうまく使えない、字がうまく書けなかったり手がしびれてうまく動かせなくなるなど頸椎障害の徴候である「巧緻性(こうち)障害」へ進行することがあります。さらに病気が進行すると大便が出にくい排便障害やオシッコをもらしたり、スムーズに出ないなどの排尿障害が出るなどより症状が重篤化する場合があります。

頸椎椎間板ヘルニアの画像検査

頸椎の画像検査は、まず頸椎の状態を見るため単純X線(レントゲン)撮影を行います。必要に応じてMRI検査をおこなう場合があります。

単純X線(レントゲン)撮影

変形性頸椎症の場合は、骨棘の存在を確認するとともに、椎間腔(椎体と椎体の間)の狭小化の状態で椎間板の状態を予測することができます。
シニア世代に多い変形性頸椎症と違って頸椎椎間板ヘルニアは比較的若い方もなることもあります。その場合はヘルニアによって髄核が飛び出しても下図の赤矢印のように椎間腔(椎体と椎体の間)の狭小化は軽度で、単純X線(レントゲン)撮影だけで診断することは難しいと言われてます。症例によっては頸椎の生理的前弯が減少して、ストレートネックのように後弯を示すこともあります。

単純X線(レントゲン)撮影 側面 イメージ像


シニア世代は変形性頸椎症と頸椎椎間板ヘルニアが合併している場合も多々あります。その場合は椎間腔の狭小化、椎体の骨棘もともなっていますので、単純X線(レントゲン)だけで両者を区別するするのは難しく、正確な診断にはやはりMRI検査を行う必要があります。

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MRI検査

脊髄や椎間板などの組織は単純X線(レントゲン)で直接描出することはできません。CTでも造影剤と使わないと正確な検査はできません。そこで登場するのがMRI検査であります。MRIによって痛みやしびれの原因を突き止めることが可能が高くなります。
MRI装置

頸椎椎間板ヘルニア MRI T2強調像 矢状断イメージ像

脊髄は第4頸椎と第5頸椎の間の椎間板から飛び出した椎間板ヘルニアから圧迫され、脊髄内に高信号(T2強調像では白い)を認めます(赤矢印)。T2強調像で高信号にうつる部位は炎症や浮腫、腫瘍など病気を描出していることが多く、要注意です。

頸椎椎間板ヘルニア MRI T2強調像 横断イメージ

椎間板から飛び出した椎間板ヘルニアが赤矢印のように脊髄を圧迫してます。

CT・ミエログラフィー

CTでは骨の状態を詳細に評価できます。ただヘルニア自体は直接描出することは出来きませんので、ミエログラフィーといって腰椎から脊髄腔内に造影剤*を注入して観察後、CTを撮影する検査もあります。この検査では脊柱管(脊髄の通る管)と神経の位置関係を把握することが可能で、手術を前提とした検査として行う場合があります(CTミエロといわれます)。ただミエログラフィーは侵襲を伴う検査のため、MRIなどの検査と違い入院して検査を行います。
CT

造影剤
造影剤とは読影を容易にするため、画像にコントラストをつけて特定の組織を強調するために患者さんに投与する薬のことです。造影剤を投与する検査を「造影検査」といいます。反対に造影剤を使わずに検査することを「単純検査」と言います。

侵襲とは、「病気」「怪我」だけでなく「手術」「医療処置」のような、「生体を傷つけること」すべてを指す。医療行為としての侵襲は、外科手術などによって人体を切開したり、人体の一部を切除する行為や薬剤の投与によって生体内になんらかの変化をもたらす行為などを指す。

ウィキペディアより引用

まとめ

首の病気は首とは関係ないと思う場所の症状からはじまります。頸椎椎間板ヘルニアは首から肩、上腕、指先にかけての激しい痛みやしびれから始まり、最初は本人が首が悪いことに気がつかないことが多いそうです。なかなか症状がとれない、あるいは増悪している場合は整形外科や脳神経外科の専門医に受診することをおススメします。

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