変形性頸椎症の画像について シニア世代の首や肩の痛みやこりの原因

肩こりや首の痛み

シニア世代の首や肩、腕にかけての痛みやしびれの原因として多いのが「変形性頸椎症」です。この病気は特にきっかけがなく痛みやしびれが出ます。ミドル世代からシニア世代の特に男性に多く見られます。

頸椎の加齢性変化で神経を圧迫する

頸椎のクッションの役目をしている椎間板が加齢による変性によってその弾力性を失い、それが引き金になって椎体の角の部分に骨が増殖して変形して骨棘といわれるトゲのような突起をつくります。骨棘とともに前方からバルジングと呼ばれる椎間板の膨隆による突出、側方から椎間関節肥大変形、そして後方〜後側方にかけて黄靭帯肥厚変性などで脊柱管が狭くなることがあります。つまり骨棘ができ、関節が変形して、靭帯が加齢によって肥厚することなどにより脊柱管が狭くなります。やがて脊髄や神経根を圧迫することによって症状が発生することが変形性頸椎症となります。その変形性頸椎症も神経を圧迫する場所により、神経根を圧迫することによる症状を「頸椎症性神経根症」と、脊髄を圧迫してより重い症状が出る可能性が高い「頸椎症性脊髄症」に分けられます。また、両方の症状が出る場合もあります。

肩こり

首や肩に「こりや痛み」をおこす病気とその画像のまとめ

2019年1月11日

変形性頸椎症のイメージ像

頸椎症性神経根症

神経根は脊髄から枝分かれしている神経で、ここが椎体からの骨棘で圧迫されると、首から肩、上腕、指先にかけて痛みやしびれが生じることがあります。通常は片側に症状が生じ、両側に生じることはあまり無いと言われてます。
頸椎症性神経根の場合、首を後ろに曲げる(後屈)と症状が出やすくなります。例えば、美容院で洗髪する時に首や腕に痛みやしびれが生じることがあります。したがって、頸椎症の方は常日頃後屈には十分気をつけたほうがいいと言われてます。

頸椎症性神経根症 イメージ像

単純X線(レントゲン)撮影

単純X線(レントゲン)撮影で椎間腔の狭小化から椎間板の状態を推測します。また、骨棘の状態を確認します。

正常 側面 イメージ像

変形性頸椎症 側面イメージ像

椎間板の変性により、青矢印のように椎間腔は狭小化し、椎体の辺縁に赤矢印のように骨棘を形成してます。

正常 斜位イメージ像

骨髄から分かれた神経の枝の「神経根」は、頸椎の窓の「椎間孔」を通って腕や手にひろがっていきます。単純X線(レントゲン)における斜位撮影はこの椎間孔の観察に適しています。左右両方の斜位像を撮影します。

変形性頸椎症  斜位イメージ像

骨棘によって椎間孔が狭くなり(下図赤矢印)、ここから出て行く神経根を上図の「頸椎症性神経根症のイメージ像」のように圧迫して、首から肩、上腕、指先にかけて痛みやしびれなどの神経症状を発症します。

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頸椎症性脊髄症

椎体からの骨棘や黄色靭帯の肥厚で後〜後側方からも脊髄が圧迫され、頸椎症性神経根症とは違い、最初は両側の手足に痛みやしびれや歩行障害がみられます。その後、徐々に四肢の感覚異常や手指の「巧緻性障害*」へ進行する病気です。さらに病気が進行すると排便・排尿障害が出ることがあります。

手足の巧緻性(こうちせい)障害
ボタンの掛け外しが上手くできない、箸がうまく使えない、字がうまく書けないなど手がしびれてうまく動かせなくなることで、頸椎障害の重要な徴候です。

頸椎症性脊髄症イメージ像


単純X線(レントゲン)撮影では、椎間腔の狭小化から椎間板のようすや骨棘の存在は確認できますが、診断を確定するにはMRI検査を行う必要があります。特に頸椎症性脊髄症の診断では、脊髄自体単純X線(レントゲン)では直接描出することは不可能なのでMRI検査は必須となります。
MRI装置

頸椎症性脊髄症 MRI T2強調像 矢状断像 イメージ像

脊髄は前方より圧迫され、脊髄内に高信号(T2強調像では白い)を認めます(赤矢印)。T2強調像で高信号にうつる部位は炎症や浮腫、腫瘍など病気を描出していることが多く、チェックが必要です。

頸椎症性脊髄症 MRI T2強調像 横断像 イメージ像

椎間板が変形し、椎体に骨棘ができて脊髄を圧迫してます。脊髄内の高信号(T2強調像では白い)を認めます。脊髄内の炎症又は浮腫が疑われます。

まとめ

加齢によって椎体のクッションの役割をする椎間板の弾力性が失われ、それによって椎体の角に骨棘ができます。関節等が変形して脊髄や脊髄から枝分けれする神経根の通り道を狭くします。それによって脊髄や神経根を圧迫することがあります。ただ、シニア世代の頸椎のX線撮影をすると変形の大小はありますが、この様のような変化は多くの方に見られます。だからといってみんなが前述した首の痛みやしびれ、上肢の痛みやしびれなどの症状が発症するわけではありません。首はとてもデリケートな場所、この記事を読んだのも何かの縁。思い当たる節がある方は一度整形外科や脳神経外科などの専門医の受診をお勧めします。

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