腰椎分離症と腰椎分離すべり症の画像について

腰痛

10代を中心に成長期の若いスポーツ選手の腰痛原因の一つに「腰椎分離症」があります。その時の腰椎分離症をしっかり治療せず放置したり、自分が腰椎分離症だったということに気がつかないでいるとシニア世代に入って腰椎症の症状が出てくることがあります。このことを「腰椎分離すべり症」といいます。

腰椎分離症

比較的若い年代(中高生)の本格的?にスポーツをしている人たちに多く発症します。成長期のまだ骨が未発達の状態で激しい運動を繰り返されることにより徐々に椎体への負担が大きくなり、下図の赤矢印のように腰椎の椎弓(関節突起間狭布部)が疲労骨折で腰椎が二分されるような病気を「腰椎分離症」といいます。それはあたかも小さい荷重を繰り返し 長期間にわたって与えるとその材料は疲労して、 やがて破断するという金属疲労のようです。

腰椎分離症イメージ像


腰痛

シニア世代の「腰痛・坐骨神経痛」とその画像のまとめ

2019年1月15日

腰椎分離症の画像検査

単純X線(レントゲン)撮影

腰椎分離症を疑った場合の画像検査は他の腰椎症と同じく、まず単純X線(レントゲン)撮影を行います。その際に重要なのは斜位での撮影であります。斜位は患者さんが仰向けの状態で右側を45°前に出す第1斜位と左側を45°前に出す第2斜位の両方向を撮影します。

単純X線(レントゲン)撮影 斜位像 正常でのイメージ像

単純X線(レントゲン)撮影斜位像 腰椎分離症イメージ像


腰椎分離症における単純X線(レントゲン)撮影での典型的な所見は、腰椎の斜位撮影で上図のように赤矢印の部分が断裂してみえます。この分離している椎弓の部分(関節突起間狭部)があたかも子犬の首輪のように見えるため「スコッチテリアの首輪」と呼ばれます。この状態でわかる分離症は末期であり、残念ながら治療をしても分離症自体は治らない可能性が高いそうです。

スコッチテリア
スコットランド産のテリア犬で、小形で胴が長く、脚は短い。毛は黒っぽく、長くて粗い。

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CT

単純X線(レントゲン)撮影で腰椎分離症が疑われる場合は、精密検査としてCTを行います。場合によってはMRI検査を行います。

腰椎CT検査


CTの場合、腰椎分離症の多い下部腰椎を中心に撮影を行います。撮影後、MPR画像再構成処理により、椎弓の分離を描出した断面(下図の赤い破線)である傾斜横断像を作成します。MPRとは「multi-planar reconstruction, multi planar reconstruction」の略で、撮影後の画像再構成処理により、横断像、冠状断像、矢状断像の基本的な3方向以外にも自由自在に体の断面像を作成することができます。

腰椎分離症を描出する断面

腰椎分離症の傾斜横断像のCTイメージ像

下図の赤矢印に骨折線を確認できます。

ただ、運動時に痛みがあっても、普段は痛みが出ない人の方が多いそうで、単純X線(レントゲン)撮影を受けるきっかけが無ければ、自分が腰椎分離症である事に気がつかない人も多いそうです。そのまま治療しないで放置すると、本来動く場所では無いのに、あたかも関節のように動く不安定な状態で治癒してしまうことがあります。これを偽関節と言います。

腰椎分離すべり症

若い時の腰椎分離症をしっかり治療せず放置された場合、シニア世代以降の椎体の変性やカラダの肥満などにより分離した腰椎が腰の骨を支えられなくなって椎体が前にすべることがあります。このような状態を「腰椎分離すべり症」と言います。

腰椎分離すべり症イメージ像

症状が進みますと椎体が前にすべることにより、下図の赤丸のように脊柱管が歪み、馬尾神経を圧排して腰痛だけでなく臀部や下肢の痛みやしびれが出てくる場合もあります。

単純X線(レントゲン)撮影 腰椎分離すべり症イメージ像

側面像

下図の赤矢印のように側面像で第5腰椎に前方すべりを認めます。

斜位像

斜位像で、下図の赤丸の関節突起間狭部に前述のように「スコッチテリア」といわれる子犬の首輪状の断裂像が認められます。

まとめ

若い時に「腰椎分離症」に患った場合、その時にしっかり治すことが1番大切です。そのまま放置すると、何十年後かの時限爆弾のようにシニア世代に入って「腰椎分離すべり症」を発症して辛い症状が起こる可能性があります。

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