アルツハイマー型認知症の画像について

痴呆 健康医療

超高齢化社会を迎え、今問題となっていることの一つに「認知症」問題があります。その数推定500万人ともいわれております。ただ、認知症とよく混同されるのが「物忘れ」であります。物忘れは人間の脳老化で、程度の差こそあれ誰にでもある事だそうです。認知症は老化によるものとは違い、人間の記憶をためておく脳の神経細胞が何らかの原因で壊れてしまうためにおこる症状や状態を言うそうです。物忘れは基本的には日常生活には支障を来たしません。認知症は症状が進行すると、皆さんご存知の通り大きな社会問題となっているほどご本人や家族を巻き込んで日常生活に支障をきたします。

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認知症の種類

認知症はアルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症、血管性認知症などがあり、一番多いのは認知症の50%を占めるアルツハイマー型認知症であります。ひとことで認知症といっても原因や症状は様々で、画像による診断は難しいといわれてます。その中でもアルツハイマー型認知症はMRI検査で早期に発見できる可能性があります。


レビー小体型認知症 家族を支える会より引用

アルツハイマー型認知症

人間の記憶は大脳の「海馬」と呼ばれる領域で蓄えられます。アルツハイマー型認知症の特徴は海馬の脳神経細胞が減る、つまり萎縮からはじまります。その海馬をMRI 検査することによって早い段階で病気を発見することができます。海馬の萎縮からはじまったアルツハイマー型認知症は長い時間をかけて脳全体に広がっていくそうです。

MRI検査方法

海馬のMRI検査では下図のように冠状断面(ピンク色の断面)をT1強調像で撮像します。

断面

正常のMRIイメージ像

正常な海馬は下図の青丸のように左右に存在し、周囲の 脳と接触しています。青矢印の脳溝とよばれる脳表面のしわもあまり目立ちません。

MRI

アルツハイマー型認知症のMRIイメージ像

アルツハイマー型認知症を発症した場合の海馬は下図の赤丸のように、正常時と比べて小さく萎縮(縮こまる)してしまいます。また、さらに認知症が進行すると、海馬からはじまった萎縮が大脳全体に進み、脳溝の脳の表面のしわが赤矢印のように脳全体に広がっていきます。脳溝とよばれる脳のしわは加齢によってだれでも広がりますが、アルツハイマー型認知症の場合はしわの広がりが通常より大きくなる傾向にあります。

MRI

早期アルツハイマー型認知症診断支援ソフト「VSRAD(ブイエスラド)」

早期アルツハイマー型認知症の診断はとても難しく、医師の経験により診断に差が出たりする可能性があるそうです。そんな読影の難しい早期アルツハイマー型認知症の解析支援ソフトが「VSRAD」です。ドクターの画像上の視覚的な判断から海馬の萎縮を判断するのではなく、撮像したMRI画像から海馬の体積を正確に解析して正常な海馬と比べて数値化し、客観的に評価することができます。
萎縮の程度は萎縮なしを0として海馬の萎縮が脳全体のそれより強いほど大きな数値となります。2以上の数値なら早期アルツハイマー型認知症の疑いあります。このソフトの識別率(正診率)は80%以上となるとの報告もあります。ただ、このソフトの結果だけで認知症の確定診断ができるわけではありません。あくまでも早期アルツハイマー型認知症を診断する上での支援をする目的で使用されてます。

まとめ

早期アルツハイマー型認知症の治療は早期であればあるほど進行を遅らせることができ、その治療効果が期待できるそうです。したがって、MRI検査を行なって疑わしい症例をスクリーニング(ふるい分け)して早期から診断していくことは、現代の社会現象を考えると患者さん本人だけでなくそのご家族のためにも大きなメリットがあると思います。

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