シニア世代の腰痛 変形性腰椎症の画像について

腰痛

腰痛には多くのシニア世代の皆さんが難儀されているかと思います。男性の痛みの訴えの多い部位第1位であります。女性も肩凝りに次いで第2位にランクインしております。

腰痛の原因

その腰痛の原因ですが、病院や診療所など医療機関でも約15%程度しか分からないそうです。腰椎の圧迫骨折、椎間板ヘルニアや腰椎脊柱管狭窄症など単純X線(レントゲン)やCT、MRIなどの検査で原因の特定できる腰痛を特異的腰痛というそうです。

その他の約85%はストレスなどメンタルな要因が複雑に関係して特定できなことが多いそうです。画像には写らなくても、神経を圧排などして障害が出る場合があります。そのように原因の分からない腰痛を非特異的腰痛というそうです。

患者さんは腰痛の原因を求めて病院や診療所などの医療機関を訪れます。しかし、残念ながら、10人に9人近くの方は非特異的腰痛のため原因が分からないことになります。だから接骨院・鍼灸・マッサージ・整体院などの民間療法含めて渡り歩く人が後を絶たないということです。

腰椎の単純X線(レントゲン)撮影

腰痛で病院や診療所などを受診すると、まず単純X線(レントゲン)撮影を行います。これは僕が診療放射線技師の免許を取得した40年近く前と基本的に変わりません。現代のようにCTやMRIといった新しい検査法が誕生し、進化している中でも何十年以上変わらず、まず「レントゲン」から始まります。今後も変わらない不変的な検査方法になります。

腰椎の撮影方法は下記の4方向を基本に撮影します。

正面撮影

患者さんを仰臥位(あおむけ)にして撮影します。撮影範囲は下部胸椎から仙骨が含まれているように撮影します。

側面撮影

患者さんを側臥位(横向き)にして撮影します。その際には椎間腔(椎体と椎体の間のスペース)が明瞭に描出され、体動(患者さんの動き)がなくブレのない画像を撮影することが大切です。

斜位撮影(左右両斜位)

斜位は検査台と腰部が45°の角度を作るX線管の向きにあった左右両方向の斜位で撮影します。

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シニア世代 腰痛の代表的な疾患

腰痛

シニア世代の「腰痛・坐骨神経痛」とその画像のまとめ

2019年1月15日

腰椎椎間板ヘルニア

皆さんは腰痛といえばまず腰椎椎間板ヘルニアを思い浮かべるでしょう。それだけ腰痛の代名詞となっている病気であります。ただ、残念ながら軟骨である椎間板を単純X線(レントゲン)撮影では描出することはできません。したがって、単純X線(レントゲン)撮影では椎間板ヘルニアを直接診断することは不可能です。椎間板ヘルニアの診断にはMRIが最適な検査方法となります。

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)、腰椎圧迫骨折

圧迫骨折には骨がもろくなり比較的弱い外力によっても生じる骨粗しょう症によるものや転移性骨腫瘍による病的椎体骨折、強い外力により生じる外傷性椎体骨折などがあります。

圧迫骨折のイメージ像

胸腰椎移行部単純X線(レントゲン)撮影イメージ像

骨粗しょう症で骨がもろくなると、尻もちなどの軽い衝撃でもの胸椎と腰椎の移行部(胸腰移行部といいます)あたりの椎体に圧迫骨折を起こすリスクが高くなります(下図:赤矢印)

骨粗しょう症の検査について、こんな記事も書いてます。

骨密度検査 骨の強さを測定する

2018年9月30日

腰部変形性脊椎症

椎体間のクッションの役目をする椎間板の変性(老化現象)により、椎体が変形して椎間板がつぶれて狭くなります。シニア世代なら痛みの大小はあれど、誰でも起こり得るものです。椎体の変形により神経が圧迫されると、脚のしびれや痛みなどの症状が現れ、腰痛、臀部(おしり)痛や下肢のしびれ、坐骨神経痛などの症状が出てきます。さらに症状が進行すると治療が厄介な腰部脊柱管狭窄症になる可能性もあります。ただ前述の通り、椎間板自体は単純X線(レントゲン)では描出することはできませんが、椎間腔(椎体と椎体の間のスペース)の狭小化などで間接的に読影は可能となります。

坐骨神経痛
腰痛の話になるとよく出てくる坐骨神経痛という言葉です。実は正式な病名ではなく、臀部からふくらはぎにかけての痛みの総称をいいます。

腰部変性脊椎症単純X線(レントゲン)イメージ像

下図の腰椎正面像及び側面像で椎体の上下縁にトゲのような骨棘(赤矢印)の形成を認めます。また、第2腰椎と第3腰椎及び第5腰椎と仙椎の椎間腔(椎間と椎間のスペース)が狭小化といって狭くなっています(青矢印)。さらに進行すると変性した椎間板などにより脊髄が通っている脊柱管を狭窄させる脊柱管狭窄症をきたす場合があります。

脊柱管狭窄症

椎体縁のトゲ状の骨棘の形成や変性した椎間板が後方に突出することなどにより下図のように脊柱管を狭窄することがあります(下図:赤丸)。そのことにより神経や血管そ圧迫して痛みが生じます。そして症状が進むと腰だけでなく、臀部(おしり)や脚にも痛みやしびれが生じます。この病気は歩くと痛みやしびれが生じてますが、休むと良くなって歩くことができます。ただ、自然に治ることはなく、何も治療しないとだんだん歩ける時間が短くなっていきます。この病気はシニア世代の男性に多い傾向にあります。

脊柱管狭窄症のイメージ像

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腰椎変性すべり症

腰椎のすべり症は下図のように椎体が前にすべり出ることで脊柱管が挟まれ、中を通る脊髄神経の束である馬尾神経という神経が圧迫されて痛みやしびれを感じる病気です。症状が進行すると腰部だけでなく臀部(おしり)や脚に痛みやしびれが生じる場合があります。

腰椎変性すべり症のイメージ像

腰椎変性すべり症単純X線(レントゲン)撮影イメージ像

側面像で第4腰椎が前方すべり(赤矢印)を認めます。第4腰椎と第5腰椎の椎間腔(椎体と椎体のスペース)に狭小化が認められます(青矢印)。

まとめ

医療にはスクリーニングという考えがあります。スクリーニング、つまりふるい分けであります。細かいところまで分からなくても、正常か、異常があるか分けることであります。単純X線(レントゲン)撮影で異常があれば、CTやMRIで精密検査を行い確定診断をつけるということです。CTやMRIなどの最新医療技術の進歩はめざましく、人々の健康に大きく貢献してます。単純X線(レントゲン)も病気を見つけるファーストチョイスの検査として、まだまだ重要な検査方法の一つであります。

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