胃ガンを考える

消化管 健康医療

シニア世代の皆さんにはK1やPRIDEなどの総合格闘技が好きな方も多いのではないでしょうか。そういう僕も一時はハマりました。一頃は大ブームで、大晦日のテレビは紅白歌合戦の裏番組3局でプロレスなどの格闘技を放送していた時代がありました。そんな総合格闘技界のスターで小さな体にも関わらず、攻撃的なスタイルで多くのファンを魅了し「神の子」の愛称で知られた山本KID徳郁さんが41歳の若さでお亡くなりになりました。一部報道だと胃ガンだったらしく、2年前にガンが見つかったとの事。僕は病院時代に放射線技師としてメインに従事した仕事がバリウムによる胃などの消化管撮影だったので、その年齢の若さにとてもビックリしています。というのも、胃ガンといえば50歳代からの病気で、30歳代に羅患*(りかん)率はとても低い印象だからです。

罹患
病気になる、かかること

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胃ガンの年齢階級別罹患率

国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」より引用

実際に、国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」からみますと、胃ガンにかかる割合は圧倒的に男性が多く、その男性は50歳代から罹患する人が多くなります。女性は男性より約15年遅れてかかる人が増え始めると言われ、いずれも年齢とともに増加する傾向です。上図のグラフから山本KID徳郁さんが胃ガンにかかった30歳代の罹患率がいかに低いのかがお分かりになるかと思います。


国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」より引用

胃ガンは男性の場合ガン罹患数部位別1位で、女性は乳ガンや大腸ガンについで3位になります。死亡者数は男性で大腸ガンに次いで2位、女性は4位になります。

肺ガン、大腸ガン、そして胃ガンは日本人の3大ガンと言われてきました。長らく日本人のガン死亡数のトップであった胃ガンですが、ここ数年減少傾向が続き最新のデータだと大腸ガンについで2位となってます。

ピロリ菌

なぜ胃ガンの死亡者数が減っていきたかといえば、検診体制の整備や治療技術の進歩とともにピロリ菌*除菌の成果が一因にあると言われてます。ピロリ菌に感染している人は、感染していない人に比べて胃ガンになるリスクは5倍になるそうです。その胃ガンの原因となるピロリ菌の除菌治療は患者数の多い慢性胃炎に保険適用が拡大され、一気に普及しました。そのことにより胃ガンよる死亡者数が平成23年以降減り始め、28年までの5年間で10%も減ったそうです。

ピロリ菌
1982年に発見された粘膜に生息するらせん型をした細菌で、乳幼児に水や食物を介して感染するとみられ胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃ガンなどの原因となる。発見者は2005年ににノーベル生理学賞・医学賞を受賞している。

昔は多くの家で井戸水を使っており、そんな衛生環境が整備されてない時代に育った我々シニア世代のピロリ菌感染率は60〜70%と高く、ピロリ菌除菌を行ってないシニア世代の皆さんは胃ガンのリスクが高まる年代にいよいよ入ってきたと言えます。そんな僕もしっかり感染してましたが病院時代に除菌治療を受けました。若い頃よりお腹の調子が悪いことか多かったですが、除菌によってスッキリしました。衛生環境が整備されている現在の10代の感染率は10%以下だそうです。ピロリ菌感染者の低下により胃ガンの罹患者数は今後さらに減少することが予想されます。

胃ガンの5年生存率は70%超える

ガンの再発は治療後1〜2年で起こることが多いので、5年再発がなければ治ったと判定でき、5年生存率と言うそうです。胃ガンの5年生存率は早期から進行ガンまで全てのステージで70%を超えてます。それは検診体制が整備され早期で見つかることが多いことや治療技術の進歩などの理由から他のガンに比べて5年生存率は高くなってます。とりわけ早期胃ガンの場合はほとんど治る病気と言われてます。

 

産経ニュースより引用

まとめ

通常の胃ガンにかかるのは圧倒的に男性が多く、その男性は50歳代から罹患する人が多くなります。女性は男性より遅れてかかる人が増え始めると言われ、いずれも年齢とともに増加する傾向の病気です。ただ残念ながらシニア世代は定年退職などの理由から今までは職場で半分強制的に受けていた検診や人間ドックなどを受ける機会が大幅に減ってきます。胃ガンはシニア世代から罹患することが多いので、是非定期的に検診を受けてもらいたいと思います。検診を受けていれば助かる命もあるはず…

スキルス胃ガンを考える

2018年9月27日

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