運動強度と乳酸の関係

運動強度

日常生活で運動の習慣化がある人は全体の3分の1にも満たないそうです。運動をしてみようと思う人が多い中、運動を続けることの難しさを物語ってます。ではなぜ続けられないのでしょうか?いろんな要因はあるかと思いますが、その要因の一つが、「運動は苦しいから」というのがあります。人間苦しいことは長続きしません。

心拍トレーニング

シニア世代 運動強度を測って科学的に運動する方法

2019年2月3日

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乳酸性作業閾値「LT」とは…

乳酸は運動強度が上がると血中乳酸濃度が上がることから、長い間疲労の犯人とされてきました。しかし、最近の研究で疲労は様々な要因で起こることがわかってきました。乳酸は糖を使ってエネルギーを生成する過程で生じ、運動強度が低い場合には、細胞内にあるミトコンドリアが、乳酸をエネルギーにしているためほとんど乳酸は増えません。運動強度が高くなるとミトコンドリアに乳酸を分解する余裕が無くなるため乳酸処理が追いつかなくなります。運動の途中に「LT」と呼ばれる乳酸が急にたまるポイントがあります。このポイントは乳酸性作業閾値と呼ばれ、〝Lactated Threshold 〟略してLTと言います。運動強度がLTを超えると乳酸が急激に増えるのは、人体が動くために必要なエネルギーを生産する重要な存在であるミトコンドリアが乳酸を分解する余裕がなくなってきているためだと考えられます。

このLTを超える運動強度は主体的運動強度が「楽である」から「ややきつい」の領域に入ります。ボルグスケールだと12、13段階あたりで、最大心拍数の60〜70%にあたります。エネルギー代謝もLTレベルまでは脂肪を燃焼する有酸素系ですが、LTより強い運動強度では糖質を代謝する解糖系の働きが活発になります。LTを超えると前述のように急激に乳酸がたまりはじめ、筋肉疲労が増大して持久力の低下を招き、運動を継続を妨げる現象が多発します。

LTを測定する

LTを測定する方法は主に3つあります。

運動中の血中乳酸濃度を測定する

換気性作業閾値を測定する

上記の2つの方法は正確なLTを測定できるものの、専門施設での測定が必要となります。

計算式によるもの

専門施設による測定に比べると精度は落ちますが、自分のLTを知る一つの目安となります。

LT=(最大心拍数-年齢-安静時心拍数)×0.75+安静時心拍数

※最大心拍数=220ー年齢

※安静時心拍数:朝、目が覚めた時カラダを起こす前に脈を測ります。この状態の心拍数が安静時心拍数になります。通常は手首で脈を数えますが、僕の場合は鼠径部の腸骨動脈の方が脈はよく分かります。

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僕の机上のLT値は「220-58才-安静時心拍数50×0.75+安静時心拍数50」つまり”134″がLT値となります。

 LTより低い運動強度なら長く続けられますが、それを超えてしまうと途端に持たなくなります。つまり体づくりの運動の基本はLT付近より少し低いくらいの運動強度で行う、ということです。

セルフ・エフィカシー

これまで運動をしてこなかった人がいきなり運動を始めてきついのは、はじめから必要以上に頑張りすぎて、自分のLTを超えて運動を行なっているので急激に血中乳酸濃度が上昇し、さまざまな運動を妨げる現象が起こって苦しくなったため。運動は自分でもできる!という見込み感を積み重ねていくことで、またやりたいという気持ちになるそうです。これを「セルフ・エフィカシー」といいます。見込み感を得るには小さい成功体験を積み重ねることが大切です。運動を始めて苦しくて挫折してしまえば〝やっぱり自分はダメだな〟って思い、成功体験はゼロになります。LT以下の運動強度で楽に運動ができたら小さな成功体験が得られ、またやりたいと思います。その積み重ねが運動へのモチベーションとなり、大きな効果へとつながっていきます。

LTレベルの底上げ

LTレベルでの運動を続けていくと、運動強度を上げても苦しくなるポイントがより強い運動強度へシフトしていき、より高い運動強度でLTが現れるようになります。つまり、下のグラフのように乳酸が急激に増え始めるLTが右側にシフトしていく、「乳酸シフト」がおこります。運動中に乳酸の蓄積を起こさないので、苦しくない状態をキープして運動を継続する能力を高める効果があるということです。

 

まとめ

体づくりの運動の原理原則は過負荷の法則(オーバーロードの法則)であります。その方法はさまざまな考え方、いろんな流派?がありますが、本質のところは苦しくない状態で運動を継続する能力を高めることで、LTレベルの底上げにつきます。楽だから運動時間が長くなり、当然消費カロリーが増え、それだけ多くの脂肪が燃え、体重が落ちて絞れてくる。さらに筋肉がつき、基礎代謝量が上げって太りにくいカラダに変わっていくはずです。

 

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